大雪山国立公園を特色づけるのは大雪火山群から十勝岳、石狩岳など、北海道でもっとも標高の高い山岳の上部に成立する我が国最大の高山帯に生育する自然性の高い植生です。ハイマツ、ミヤマハンノキ、ナナカマド等の木本や雪田、雪崩斜面に発達するわい性木本あるいは草本群落等、多様な植生が発達しており、夏季の高山植物の開花期にはその広大性、希少性や固有性において他でみられない優れたお花畑景観を形成します。標高1,600~1,800m付近から上部はこの植生で占められています。
標高1,600~1,800m付近より下部は順にダケカンバ帯、針葉樹林帯、針広混交林帯となっています。針葉樹林はトドマツ、エゾマツ、アカエゾマツが環境によってその構成比を変え、混交林ではダケカンバが混じることが多いです。
自然性の高い広大な森林や高山等特異な環境を有する本公園は、多種の野生動物が生息します。
鳥類のうち特徴的なものをあげれば、高山ではホシガラス、ギンザンマシコ、ノゴマ、ビンズイなどが繁殖し、森林帯ではクマゲラやシマフクロウの生息も確認されています。峡谷の岩壁にはアマツバメ類、イワツバメが繁殖しています。
※作成にあたり、ひがし大雪自然館及び大久保智子氏から写真提供をいただきました。