食肉目クマ科ヒグマ属エゾヒグマ(Ursus arctos yesoensis)
日本では北海道にのみ生息。比較的冷涼な気候を好む。
体色は黒または赤褐色(部分的に灰色・黄土色が混じる) 。
ヒグマは棲んでいる場所、季節によって食性が変化する。
雑食性であるが、大雪山に暮らすヒグマの多くが植物性の食草となっている。
頭胴長200cm。体重300kg程度。
ヒグマは猛獣です。時として凶暴性を発揮し危険な状態になることもあります。
「ヒグマに近づかない」「ヒグマを近づけない」よう十分注意を払いましょう。
登山中の人間とヒグマの出会いは通常、注意深いヒグマの方が先に人間に気がつきます。藪の中に隠れて人間が通りすぎるのを待ち、むやみに姿を見せることはありませんが、降雨で見通しの利かないときや風が強くて音が聞こえにくいときなど、両者共に気づかずに突然出会うときがもっとも危険です。
しかし、人間側の注意により避けることは可能です。ヒグマとの出会いを避けるために、登山に際しては次のことを守りましょう。
1. |
入山前に監視員などからヒグマ情報を聞き、その指示に素直に従うこと。 |
2. |
ヒグマ対策には、絶対これで大丈夫というものはありません。事前の情報や登山中の周囲の気配など、危険と思ったら登山を中止する勇気が大切です。 |
3. |
単独行動は危険です。集団で行動し、出来るだけ接近して歩くこと。 |
4. |
ヒグマとの突然の出会いを避けるため、必ず鈴などの音の出る物を付けて歩くこと。 |
5. |
爆竹や花火は決して使用してはいけません。必要以上にヒグマを驚かせ、突発的な行動を促すことになり、非常に危険です。 |
6. |
早朝・夕暮れ・夜などはヒグマが活発に活動するので、その時間帯の行動は避けること。 |
7. |
残飯などを絶対に捨ててはいけません。ヒグマが人間慣れして、人間の持っている食料を襲う原因になります。必ず持ち帰りましょう。 |
8. |
酒を飲んで入山してはいけません。また、山の中でのジンギスカン鍋などは、臭いでヒグマを呼び寄せることになるので決してしないこと。 |
9. |
犬などをつれて入山してはいけません。 |
もしもヒグマに出会ったら、冷静沈着な対応が必要です。その時のヒグマとの距離・行動気配などにより、それぞれの状況は異なりますが、共通して言えることは、全員が集団で行動し弱みを見せないこと。また、ヒグマに対して必要以上の驚きや恐怖を与える行動をしないことです。
このためには、次の点に注意を払い対応することが必要です。
1. |
走ってはいけません。ヒグマとの距離が相当ある場合は、冷静に相手の行動を見ながら待避することが大切です。 |
2. |
ヒグマとの距離が接近している場合、驚いて大声を出したり物を投げつけるのは禁物です。全員が集結しヒグマから目を離さないこと。 |
3. |
ヒグマと睨み合っている間に近づいてくる気配があるときは、持ち物があればその場に置き、睨み合った姿勢で背を向けずに後退する。また、追いかけられた場合は持ち物を次から次に投げ与えながら逃げましょう。 |
4. |
一度ヒグマに奪われた物はヒグマの所有物です。取返す行動はヒグマの反撃に遭い自殺行為です。 |
5. |
仔熊の付近には必ず親熊が居るので警戒が必要です。仔熊を驚かしてはいけません。 |
6. |
ヒグマが立ち去ったからといって、現場に長く留まることはいけません。安全と思われる地点まで、冷静に十分警戒しながら行動することが必要です。 |
7. |
何事もなく下山しても、後の登山者に重要な情報となりますので、最寄りの警察署・森林管理署・管理官事務所などに、その時の状況を連絡してください。 |