9月11日(水)十勝岳新得コースを巡視しました。
十勝岳新得コースは、大雪山グレード4「大雪山の厳しい自然に挑む登山ルート」です。登山口へは、道道718号清水忠別線の曙橋付近から西に18km余り、シートカチ支線林道→トノカリ林道の順に通行します。8月には林道上に倒木が発生していましたが、すでに処理され、この日は難なく車で通行できました。
登山道は緩やかに針葉樹林からハイマツ帯へ続きます。途中にササ被りの旺盛な箇所が繰り返しあり、足元にハイマツの根が潜んでいることもあります。標高1,170mほどに渡渉があります。融雪期や雨の後など水量の多いときは苦労させられる箇所です。この日は途中から雨が降り出し、下山時に水量がやや増えていましたが無事に通過することができました。
標高1,200mほどの渡渉は岩を伝い通過できます。この後、再びハイマツ帯を進みます。ササやイソツツジなどの灌木が被る箇所があります。融雪期などに登山道上を多くの水が流れるのでしょう。所々で激しく浸食されています。
通行を妨げる倒木、ハイマツの枝折れなどを数箇所で取り除きました。
十勝岳は、直近では昭和63年から平成元年にかけて小噴火を繰り返し火砕物を噴出しました。標高1,550mを超えるとハイマツなどの樹木はすっかり見られなくなり、岩陰に花の終わったメアカンキンバイなどが張り付くばかりになります。火山らしい荒涼とした風景が広がり、霧など視界のないときは道迷いに注意が必要です。ここから主稜線までは赤ペンキや鉄ピンなどが景観を損なわない範囲で最小限に施されています。
標高1,800mを超えると、地形図には表しきれない沢形を何本か横切ります。厳しい環境に鉄ピンが捻じ曲げられています。振り返っては帰り道を確かめながら進みました。標高2,000mほどに大雪山縦走線との分岐があり新得コースを示す標識が掲げられています。地形図の分岐より70mほど北東に位置しています。山頂までは残り400m余りです。