大雪山国立公園連絡協議会

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大雪山国立公園登山道整備技術指針

本指針は、大雪山の登山道の侵食、荒廃に対して、この解消を早急に図り、大雪山国立公園にふさわしい登山道の保全修復を行うことを目的として環境省北海道地方環境事務所が、科学的な調査結果を踏まえ検討会を設置し、策定しました。

登山道の利用状況や植生等の状況、荒廃の程度に応じた保全修復の具体的かつ実用的指針としてまとめています。

登山道の侵食、荒廃問題

大雪山国立公園では、登山道の侵食、荒廃が大きな問題となっています。主な原因は、集中豪雨や登山者による踏圧です。ストックにキャップをせず、尖った先端で土壌を掘って流出させたり植生を傷つけたりすることも問題となっています。

荒廃が始まる初期の状態
大雪山の高山植物帯の土壌は、火山岩や火山灰など火山噴出物に由来する脆弱な基層の上に、高山植物の枯れ葉などが少しずつ堆積し、数千年かけて形成されています。
高山植物の上を人が歩くと、その部分が枯れて土壌が露出します。露出した土壌は、雨や融雪水で流されます。大雨の時には急速に土壌が流され荒廃が進みます。

荒廃が進んだ状態
土壌が流された登山道は掘れて歩きにくいため、特に雨の後や融雪水が流れている時では、草や笹の上を歩いてしまい、何本もの道が出来てしまいます。これを登山道の「複線化」といいます。

かなり荒廃が進んだ状態
雨水などの侵食で登山道が拡幅し、広い裸地になります。数年から10数年くらいの間の登山者の踏みつけで、数千年かけて形成された土壌は流出し、この場所で再び植生を回復させるのはかなりの時間を要します。

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